福冨七郎左衛門尉疾風録

石見国浅利村・四ッ地蔵城主福冨氏5代録

2017-12-19から1日間の記事一覧

尾行者

残暑の厳しい天文八年の夏も、かすかに秋の気配を感じるようになってきた。ガンガンと耳に響いていた蝉しぐれも力を失い、法師蝉が「ツクツクボーシ、ツクツクボーシ」と鳴いていた。 「いったい、何者だ」 理右衛門は後方を振り返った。 「ハアー」っと、自…